「ShotッYou!」
シャバにでたタップダンサーのグレゴリー・ハインズがまたタップするというお話。
宝焼酎レジェンドのCMに起用されていたグレゴリー・ハインズ。生涯をタップに捧げた男、じつにシブい。
冒頭で刑務所のなかでタップダンスを華麗に披露するシーンがあるが、その後にばっちりこっちを見ながら黒いタモリのサングラス、通称タモサンをかけながらこっちを見つめるシーンで心を鷲掴みにされた女性は多いハズ。いや男性もか。
『奇跡のシンフォニー』で脚本を務めたニック・キャッスルが監督。素人がパッと見て興味を引きたがるような演出がお得意なご様子。
杖をついて歩いていたヨボヨボじいさんたちとのタップダンスバトルは、これはまだあちらも現役だなとおもわせるほどの足さばきをご披露。
裏ビジネスをぬけだせないグレゴリーが、タップで表舞台にたとうとするというストーリーは、しょうじき取ってつけたような感じはあるんですけども、タップがすきなのはよく伝わりました。イイトオモイマス。
たいてい、職人になるようなひとは新しいものを受け付けない質になりがちというイメージがあるんですが、この映画ではタップとシンセサイザーをかけあわせた”タップ・トロニクス”なるあたらしいかたちに挑戦していて好感度が上がります。良くはナイトオモッタケド。
日本でタップといえば『相棒』の水谷豊が『TAP THE LAST SHOW』という映画を撮ってましたネ。なんと映画の構想は40年をかけたらしい、こんしんの一作だと思われるんですが。興行的には大コケだったときいております。
こうおもうと、タップの魅力そのものが失われているんじゃないかとおもってしまうのですが、本作を見ても決してそんなことはなくって。パフォーマンス力と映画力、このバランスがとても重要なのですナ。香りも、色も、旨さも新品質の宝焼酎レジェンドのようにネ。