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クリーン、シェーブンのhorahukiのレビュー・感想・評価

クリーン、シェーブン(1993年製作の映画)
4.0
狂いそうになる「音」の圧!

確かにコレは凄い作品!!ザラついた映像とひび割れたような音。その暴力的な洪水が精神を抉っていく…不快感マックスな統合失調症の追体験映画。客観視点が入らないと画面で起こることが一切信用できないというノイジーな作りながら、そのノイジーさが没入感を後押しするのが堪らない!!

頭に受信機、爪の間に送信機が埋め込まれてる…と主人公は思っているらしく、それを何とか自分で取り出そうとホジホジするシーンがイタタタ…ってなる😱特に爪の間にナイフを滑り込ませるのが個人的に無理なやつ!あんなん見れない!😭

内容的にはロマノスカヴォリーニ『ナイトメア』とかなり近いように思うけれど、やり口が独特。主人公に寄り添い続けて彼の主観を追体験させるだけに留まらず、統合失調症患者に対する偏見を持った周囲の目線を観客の目線と同化させるような描き方をすることで、その偏見によって彼の周囲に波紋のように広がっていく厭世観を突きつけるような攻撃的な作風が良かった。

彼自身が作り出すペルソナが周囲にとっては彼の本質と見做され、まるで人外のようにナチュラルに線引きをする家族なり警察なりの態度が胸糞!家族の最悪過ぎる態度は事後的なのか最初っからコレだから主人公に異変が起きたのかは謎だけれど、その反面教師的に自分の娘に固執し続けるのは、唯一彼にとって境界の反対側への接点となる可能性があったからでしょうね。そんで彼のペルソナを通り越して彼の本当の本質を見てくれる娘との繋がりに希望を見出させようとするのが何とも切ない…😭

劇場だともっと没入感凄そうだし、何より音響の恩恵が大きそうだからやっぱり映画館に行っとけば良かった…😭

また明日のお昼頃連投するかもなので、スルーお願いします🙏
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