Keitan

王と鳥のKeitanのレビュー・感想・評価

王と鳥(1980年製作の映画)
3.5
『王と鳥の争いの果てに何を感じるかのお話』

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ずっと気になっていたフランスアニメ。ジブリの宮崎監督、高畑監督に大きな影響を与えた作品らしい。鑑賞してビックリ。カリオストロの城や未来少年コナンの元ネタがハッキリ分かるレベルで登場する。

映像はフランスアニメらしいセンスを感じる世界観で、とても50年以上前の作品と思えない。対してお話はとってもブラック。暴君と鳥の対立を中心に描かれるが、暴君はさっさと絵画に描かれた自分の影武者暴君に消されてしまう。その影武者暴君は同じく絵画から抜け出した羊飼いの娘に恋しているが、娘は隣りの絵画の煙突掃除の青年と愛し合っていて暴君から逃れる展開に。暴君の行動はとにかくはちゃめちゃで家臣や市民に蛮行を繰り広げ、その様子には現実社会の風刺がなされているようだ。対する鳥の行動も二人を助けるために仲間を扇動しながらどんどんエスカレートしていくが…。

作中で鳥が口にする「気をつけたまえ、この国は罠だらけだ」というセリフがジンワリと重みを増していく読後感。

特典映像の高畑監督と爆問太田の対談も面白かった。元ネタをジブリ発で紹介出来るところが信頼できるという太田のコメントに同意。
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