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(500)日のサマーのYYamadaのレビュー・感想・評価

(500)日のサマー(2009年製作の映画)
4.0
【恋愛映画のススメ】
(500)日のサマー (2009)

◆映画のジャンル:
 ロマンティック・コメディ
◆ロケーション:
 ロサンゼルス
◆パートナー(カッコ内は公開時年齢)
♀️: ズーイー・デシャネル (29)   
♂️: ジョセフ・ゴードン=レヴィット (27)

〈見処〉
①理想と程遠い、現実の「すれ違い」
 500日にわたるビターなラブコメディ
・『500日のサマー』は、2009年公開のアメリカ映画。
・本作の舞台は現代のロサンゼルス。建築家を夢見つつもグリーティング・カード会社で働くトムは、社長秘書として入社してきたサマーに一目ぼれをする。運命の恋を信じるトムは果敢にアタックし、遂に一夜を共にするのだが、サマーにとってトムは運命の人ではなく、ただの「友だち」でしかなかった…(eiga.comより)
・本作は『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)にてブレイクしたズーイー・デシャネルをヒロインに迎え、子役出身の新鋭ジョセフ・ゴードン=レビットを主演に抜擢したコメディ作品。監督は、
MV製作出身のマーク・ウェブの長編デビュー作。
・本作でゴードン=レビットは、ゴールデングローブ賞 主演男優賞にノミネートされ、『インセプション』『ダークナイト ライジング』といった超大作出演の足掛かりとなった。また、マーク・ウェブ監督も本作のヒットにより、『アメイジング・スパイダーマン 』2部作を手掛けることになり、両名にとって、本作はまさに出世作となった。

②結び…本作の見処は?
女性受けも男性受けもしない、アンチ・ロマンチック・コメディであるが、のちに『きっと星のせいじゃない』を手掛けることになるスコット・ノイスタッターとマイケル・H・ウェバーの脚本コンビによる素晴らしい脚本だと思う。

◎: 出会いから500日間の出来事を時系列を細切れさせた構成にて、男性視点の恋愛に対する心情の遷移をユニークに描写。いつの間にか「理想派」と「現実派」が入れ替わっている絶妙な作品構成が素晴らしい。
◎: 男性にとって「小悪魔」にさえ見えるサマーであるが、終盤の彼女の涙は、何を意味しているのか?実は、筋が通っているのは彼女で、男性はいかに相手目線でモノを見ていないのか?と気付きを与えられる。
◎: ズーイー・デシャネルとジョセフ・ゴードン=レヴィットの持つイメージそのものの配役。素晴らしいキャスティング。
○: 当時先端だった「フラッシュモブ」や、アニメーション、理想と現実のマルチウィンドウ演出など、ビデオクリエイター出身のマーク・ウェブの力量が冴える。
▲: 男女どちらの鑑賞者にも爽快な気分にさせられず、双方の意見が食い違いそうな、「デート向きではない」作品。
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