A8

バベルのA8のレビュー・感想・評価

バベル(2006年製作の映画)
3.1
重なり合うはずのない異国の地で生きる人々、、
しかし、ある1発の銃弾が彼らの運命をめぐり合わせる。

東京、モロッコ、メキシコ、、
遠く離れたそれぞれの土地に住む人々は
人間誰しも抱えている“悩み”というのを持っていた
ただ、それは一般的よりもずっと深そうな闇
母が自殺し残された旦那と聾者の娘
子供を亡くしてから夫婦間の距離に溝ができている家族
息子の結婚式に行くはずが、予定を変更され仕方なくベビーシッターの子供たちを連れていく女性、、

物語はここから始まる
モロッコに住む2人の兄弟は、山羊の放牧に必要なライフルをもらう
彼らはこの“4キロ先のものも撃ち落とせる”そんな謳い文句を試すべく
山の中を走るあるバスにめがけて銃弾を打ち込むのであった、、
そしてそれは命中してしまう。


人生とは、1人で生きていくものなのか?
どれだけ近い存在の相手にも自分の心内を理解してもらえない。
そして辛くなり塞ぎ込み反発して、、
でもやっぱり1人では生きていけないのがこの世の摂理なのだろう。
ある1発の銃弾が皮肉なことに彼らにその摂理の存在のことを気づかせてくれた
そんな気がした。

繋がっているのだ
人はつながっている
身近な人はもちろん
見ず知らずの異国の地に住む見ることもないような人とも繋がっているのだ。
毎日口にする食べ物🍙
身体の汚れを洗い流すシャワー🚿
通勤に使う列車🚃
もはや日常に溶け込んでいて実感することはなかなか難しいかもしれない。

でもやっぱり人は繋がって生きているのだ。
世界のどこかで自分の存在が世界を救っているのかもしれない。
言い過ぎだろうが、でも本当にそうかもしれない。
A8

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