すきま

きわめてよいふうけいのすきまのレビュー・感想・評価

きわめてよいふうけい(2004年製作の映画)
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3、4年前に本(写真集?)の方を読んで、数ヶ月前に小原真史さんの方の『カメラになった男 写真家 中平卓馬』と監督と加瀬亮さんのトークを見ていた。
小原さんも、ホンマさんと同時期にたぶんより長く中平さん宅へ通い詰めていて、しかも中平さんは同じ話と同じ行動を繰り返していた為、凄く似た場面が出てくる。
同じ写真集を同じように折って同じ写真について解説し、自転車に乗って、沖縄の講演や。同一と言っていい程似た場面がちょくちょく入るのに、全く違っていて、非常に面白かった。
ホンマさんはタイトル通り、ホンマさんがホームビデオで撮る中平さんのいる風景という感じ。
音も情報も量を絞ってあって、綺麗で距離を感じさせ、中平さんのホンマさんへの喋りもぽつぽつという感じ。
ホンマさんの作品だな、という感じの映画。
中平さんについての前知識が無いと、本当にただきれいな映像とおじいさん、に見えるかも。
本とセットで見るとより楽しめるはず。
中平さんの几帳面な字で、いつ寝起きしたかを延々と葉書に書いている日記が良かった。昼寝〇時間可能、とか、何時間寝たかでなく可能だったかをつけているところが独特。
小原さんの方はドキュメンタリーらしいドキュメンタリーで、毎日の繰り返しが重なっていく、同じ話を繰り返す重みと凄みがあった。
一緒にいるとおかしくなりそうにもなったという、距離の近さも映っているけれど、小原さん本人はなるべく自分を消して中平さんを撮っている。
沖縄旅行の存在も濃厚で、けれどくりかえす逗子の暮らしがあって、ずっと写真を撮っている、撮り続ける為に記憶まで失くしたような人の人生。
来年の中平展で両方が上映されると面白いと思うけれど、まあ難しいのかな。
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