CureTochan

RED/レッドのCureTochanのレビュー・感想・評価

RED/レッド(2010年製作の映画)
4.3
エロビデオと同じで人に勧めたりする気はないが、何回も観てしまうので、面白いんだと思う。人が死んでも、初期のインディジョーンズと同じで気にならない。演出がマンガだからか、殺し屋たちの話だからか。悲しさもちゃんとある。死と笑い。とにかく、これも映画の完成度のうちである。でも子供には良さが分からなそうだから一人で観ている。ヘレン・ミレンを観るだけでも、絶対にパート2は必要だったが、ただキャストは1のほうが全然よかったな~。「頭を空っぽにして」観たら、みたいなことを言う人が多いけど、私は頭に知識が詰まっているけど完全に楽しめる。なんか映画をバカにされたようで微妙に不快である。そういう事言う人達って、たとえば音楽の良さとかわかってないんじゃないか。

CIAに脅されたメアリルイーズ・パーカーのシーンがいい。涙を浮かべて、

・・That is so lame. He's gonna eat you for lunch.

と強い調子で言うのがいじらしく、グッと来る。だけど、これを日本語にすると、吹き替えでもそうだが
「情けない人ね。あの人にはかなわない」
とかになる。「あんたなんかフランクに食われなさい」ぐらいだと面白くなったのに。

これって、同じ女優が20年前に「フライド・グリーン・トマト」でやっていたキャラを思い出すセリフでもあるわけだが、小ネタなんだろうか?この女優は表情とスタイルと髪が素晴らしく、クラスにいた気になる可愛い子が、いい年のとり方をした感じ。

映像も効果的で無駄がない。音楽はいいが、印象には残らない。

字幕と吹き替えで、逆のことを言ってるシーンがあるのはひどい。パヤオの映画なんて、英語版をジョン・ラセターが監督したりしているのに。日本では、せいぜい監修で、福田とかいう男がシャザム!に最低な日本語吹替を入れた例しか知らない。エンタメ映画がうまく作れない国は、ローカライズもできないのである。

そのセリフはマルコビッチとミレン姉さんがドンパチしてる終盤。シークレットサービスは手強いな、とマルちゃんが字幕で言うが、ほんとは逆である。昔のCIA、じゃなかった大統領警護官はもっと手強かった、と冷笑的に言ったのに、そのあとミレン姉さんがああなる、、歳を取ることの悲哀がある。

しかし悲哀といえば、この時点でもブルース・ウィリスは目の力が散漫というか、やや無感情な感じになっており、豪華なキャスティングでカバーされている。アルツだって病理変化は中年から始まってるみたいな話もあるし。
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