ゴン吉

黄昏のゴン吉のレビュー・感想・評価

黄昏(1951年製作の映画)
4.1
セオドア・ドライザーの小説「シスター・キャリー」を映画化した一途な恋を描いたロマンス作品。
ローレンス・オリビエ主演、ジェニファー・ジョーンズがヒロインを演じる。

キャリー・ミーバー(ジェニファー・ジョーンズ)は、故郷のミズリーの田舎コロンビア・シティから姉を頼ってシカゴに列車で旅立つが、列車の中でセールスマンのドルーエと知り合う。
姉の家に居候しながら靴の縫製の仕事に就くが、指を針で刺してしまい失職。
ドルーエを頼って会いに行くと、彼は快く受け入れてくれ、彼のアパートで厄介になることになる。
彼にディナーに誘われて高級レストラン・フィッツジェラルドで会食するが、そこで妻子ある支配人ジョージ(ローレンス・オリビエ)と出会い、それがきっかけでジョージに好意を頂くようになる。
やがて二人はニューヨークに駆け落ちするが.......  

素敵なシンデレラストーリーかと思いきや、現実は厳しく険しい人生が待っていた。
心から愛する男性が現れたとはいえ、それまで親切にしてくれたドエールを裏切るキャリーには共感できない。
ドルーエはキャリーに捨てられた後も、陰ながら二人をフォローしてくれていたようで、単なるお調子者でなく本当は優しい人なので気の毒。
恋は相手があってのもので、二人の歯車が会わずに、すれ違いもある。
果たしてキャリーは真の幸せを掴むことができるのか?
ジョージ曰く「過去を引きずるな!」 
そしてジョージがラストに手にしたのはガスの元栓ではなく1枚のコイン......
せつない作品です。

2021.12 NHK BSP で鑑賞(字幕:杉本あり)
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