瀧本智行の映画はいつも画面の黒がきまっていてかっこいいなー。照明がいいのか陰影があって、陰の部分が黒く落ちていると思うのです。それは物語と人物にもあって。どこが光で、どこが影なのかを把握してるってことになるんだろうか。それは今作の真っ暗な宇宙でもだ。
生活の中からこぼれていく感情や、背負いきれないものを人は何に仮託するのかってことだ。そういう物語だと思った。はやぶさは鑑だ。その人物の中にあるものこそが、はやぶさの中に見える。
物理的にめちゃくちゃ遠くにあるものに、一方的にメッセージを贈り続けるってってのはコミュニケーションとディスコミュニケーションのあり方を象徴してるようでもあったし。そして贈り続けたそれは時間はかかかるが返ってくるのだ。わー映画だ。とてもよかった。
手の冷たい人は心が温かいっていうエピソードのところ、山口先生の心が温かいのは優しさとかじゃなくて、情熱でなんだろうなって思った。