Kota

遠い空の向こうにのKotaのレビュー・感想・評価

遠い空の向こうに(1999年製作の映画)
4.7
“時には人になんと言われても、自分の心の声を聞かなければいけないの。”

[Filmarks1500本目]節目には自分の大好きな映画をという事で、自分映画史上カッコイイパパランキング2位のこの作品を再鑑賞(因みに、1位は“リトルダンサー”のパパ)。ロケットを打ち上げるという夢を追いかけた学生達の実話ベースの傑作。

炭鉱で生計を立て、男は大人になったら地下に潜るっていう事が当たり前になっている小さな田舎町を背景に、炭鉱に下がっていくシーンとロケットを見上げるシーンの対比は胸が震える。自分も何かやりたいと突拍子もなく思いついた時にはそれを突き詰めたいタイプだから、ホーマーの気持ちは凄く分かるし、そんな彼に振り回されながらも手を差し伸べてくれる人々のありがたみも分かる。

主役のホーマーを演じる若かりしジェイク・ギレンホールが爽やか過ぎるのはいうまでもないけど、父親役のクリス・クーパーとライリー先生役のローラ・ダーンなど助演の素晴らしさがこの映画を型作る。ローラ・ダーンはどの作品でもアカデミー助演女優賞を渡したくなるほどの存在感。

原題の“October Sky”を並び替えると原作の“Rocket Boys”になるアナグラムなのは有名な話だけど、それだけじゃなくて、「10月の空にソ連のスプートニクが打ち上がった事=「夢」がテーマに見えて、実はその裏でロケットを打ち上げようとした彼ら=「夢を追う事」がこの映画の主題なんだよって言わんばかりの仕掛けが本当に凄い。1500本目にとても良い涙を流す事ができました。
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