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ローラーガールズ・ダイアリーのkuuのレビュー・感想・評価

3.9
『ローラーガールズ・ダイアリー』
原題 Whip It.
映倫区分 PG12.
製作年 2009年。上映時間 112分。
5歳から長編映画に出演しているドリュー・バリモアが初監督を務めた青春ドラマ。
主演に『JUNO/ジュノ』のエレン・ペイジ。共演にマーシャ・ゲイ・ハーデン、ジュリエット・ルイスら。

17歳の女子高生ブリスは、美人コンテストで優勝することが人生の成功と信じる母親や、田舎町の退屈な生活にうんざりしていた。
そんなある日、隣町の大都市オースティンに出かけた彼女は、女たちが繰り広げるパワフルなローラーゲームに魅了され、その世界に生きがいを見出す。

今作品のお話しは結構予測しやすいかもしれません。
しかし、今作品は他の特質がそれを補ってると感じます。
物語はさまざまな方法で感情移入できたし、何より見ていて面白かった。
ストーリーは様々なレベルがあり、スポーツについてだけではなく、
主人公のブリスの成長、
両親との関係、
友人関係、(ローラーダービーをプレイしているときにできた友人やライバルについて)
そして、今作品のメインポイントは、ブリスが自分の情熱と幸せを見つけることやけど、物語は、彼女を前進させたり、後退させたりする他のすべての詳細を忘れてはならない。
音楽もよく選ばれてるってかんじなかなぁ。
観る者を興奮させ続け、映画の外で聴いても、その曲は効果的なんちゃうかな。
今作品では、感動しスリルを味わい、そして喜びを与えてくれました。
ただ、今作品にひとつだけ欲を持てるなら、無駄な異性間の恋愛をほとんど削除して、そこに女性同士の恋愛を追加する方がより物語に色が付いたかな。
そうとは云え今作品には個人的には十分満足しましたし、何て云っても、4歳の時に『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』で映画デビュー以来のながいキャリアを持つドリュー・バリモアの初監督作品は個人的に惹かれるモノもある。
また、彼女がこの脚本に惹かれた理由は容易に理解できるほど、一視聴者としても惹かれる物語です。
ある意味、他のティーン向け映画と同じように陳腐な表現が満載やったけど、その陳腐な表現を打ち砕くために設定されているって書けば贔屓目すぎるかな。
エレン・ペイジがいつもより好感が持てるのは、脚本が彼女に小気味よい一発芸以上のものを与えているし、ジュリエット・ルイス、クリステン・ウィグ、そしてバリモア自身も、この作品に陽気さと気迫を与えてた。
あ、それと感心したんは、ローラーダービーのコースに女子らしさがないこと。
彼女たちは荒っぽく、血やあざがたくさん出てくるし、スタントもよかった。
他の優れたスポーツ映画と同様、今作品でも競争が繰り広げられる。
他の優れたスポーツ映画と同様、競技シーンは汗だくの騒乱状態で撮影されており、観てる側の高揚感を持続させる。
繰り返しになりますが、予測可能で定型的な作品だとは思いますが、新鮮でエキサイティングな作品であることは個人的に否定できません。
キャストもよく、スケートのシーンはエキサイティング。
脚本は知的で時に陽気。
この手の映画に否定的な人でなければ、きっと楽しめる作品だと思います。
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