324

夜行列車の324のレビュー・感想・評価

夜行列車(1959年製作の映画)
4.6
流れる景色と佇み揺れる男女がグルービー。スキャットが抜群にハマる。元カレのストーキングや殺人犯の逃亡劇など、そこそこに事件は起きつつも群像ですらなく素朴に同室の男と女へ焦点が当たる。盛り上がりどころであるはずの殺人犯追跡はイベントとして消化され、あくまで主題は男と女が乗り合わせ、どう近付き、どう離れるか。冒頭俯瞰ショットの人流は綺麗に霧散。ゴミは涙で流す。その終点は海でいて必然。アンニュイなルチーナ・ウィンニッカの就寝用ツインテールかわいい。度々言われる「旅の道連れ」に反して一瞬の情愛は適度な距離感で受け入れられず。車窓から顔を出し浴びる風よ。
324

324