ミミック

問題のない私たちのミミックのレビュー・感想・評価

問題のない私たち(2004年製作の映画)
3.0
一人の少女(黒川芽以)が女子生徒ばかりのクラス内のパワーゲームに翻弄される話と、教師(野波麻帆)や両親(勝村政信、大塚寧々)との関係に悩む話の二本立て。

黒川芽以の追い詰められて壊れる演技が凄くてこの映画のピーク。沢尻エリカが当時のキャリアでこれ程黒い役なのは珍しいが「顔は止めな」とか「ちょっとツラ貸しな」など、立ち振舞いがいちいちスケバンなのは狙いなのか。美波はいい娘。

いじめる側がいじめられることでやられる立場の気持ちを理解するのはそうなんだけど、全員が実生活で体験することはまずありえないのであまり効果的な見せ方とは思わない。
問題はいじめてる時にどう加害者意識を持たせるのかと、子供がいじめをしている事実を加害者の親がきちんと受け入れた上で適切な教育ができるのかが個人的には大事なことだと思う。

と柄にもなく真面目に考えていたら、物語を折り返したところで急にアイドル的なイメージビデオが挿入されて腰がバキバキに砕けた。なんだったんだあれ‥。でも思い返せば、冒頭の脚から舐める水着のショットやブルマ姿などアイドルムービーの側面もあったのか。

後半の話は教師がくず過ぎな上にフィクションのクセが凄くてついていけない。両親の描き方もテンプレ過ぎてなあ。あんまり見る価値がなかった。

メイキングに写るフレッシュな役者達の爽やかでひたむきな姿を見ると、本編に青春要素を入れたくなる気持ちも少しわかる。
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