千年女優

ブラックホーク・ダウンの千年女優のレビュー・感想・評価

ブラックホーク・ダウン(2001年製作の映画)
4.0
複数の氏族が対立して内紛絶えず、大統領暗殺やクーデターが相次いで1988年に内戦が勃発したソマリア。泥沼化によって難民と飢餓が深刻化して政府側に与するアメリカは1993年10月に特殊作戦軍隷下の統合特殊作戦コマンドによる民兵軍制圧作戦を実行。ブラック・シーの戦いと呼ばれる激しいモガディッシュの戦闘を描く戦争映画です。

米軍史上屈指の激しい市街戦をブラックホークヘリコプターによる米兵救出を中心に描いたマーク・ボウデンのノンフィクションを映画化した2001年公開の作品で、当初のサイモン・ウェストから企画を引き継いだリドリー・スコットが演出する緊迫感に満ちた作風が評価されると各映画賞へのノミネートと1.7億ドルの興行収入を記録しました。

原作では百人超だった登場人物を原作者の助言で半数以下に凝縮し、それでも手に余る数多のシーンをスコットが流石の手腕で能率的に繰り出します。そのいずれもが息を呑むことすらはばかれる緊迫感にあふれたもので、その密度がベトナム戦争以来主流になった対民兵戦の激しさとそれ故の「誰がために」の迷走を強く印象付ける一作です。
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