YYamada

ブラックホーク・ダウンのYYamadaのレビュー・感想・評価

ブラックホーク・ダウン(2001年製作の映画)
3.8
【戦争映画のススメ】
ブラックホーク・ダウン (2001)
◆本作で描かれる戦地
1993年「モガディシュの戦闘」/
 ソマリア市街地 (実話)
◆本作のポジショニング
 人間ドラマ □□□□■ アクション

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・1993年10月、内戦が続くソマリアの首都モガディシュに、米軍特殊部隊の兵士約100人が降り立った。彼らの任務は和平に反対する独裁者アイディード将軍の副官2名を捕らえることで、作戦は1時間足らずで終了するはずだった。
・ところが、作戦中に米軍の最新鋭ヘリ「ブラックホーク」が被弾し、市街地に墜落してしまう。部隊は敵地の真っただ中に取り残された仲間を救出しに向かうが…。

〈見処〉
①あなたはこの戦争に言葉を失う。
 しかし、知るべき時が来た——
・『ブラックホーク・ダウン』は、2001年に製作された戦争映画。米アカデミー賞音響賞、編集賞受賞作。
・ブラックホークとは、米軍の最新型ヘリコプター「MH-60L ブラックホーク」を差す。
・プロデューサーは『トップガン』『アルマゲドン』のジェリー・ブラッカイマー。
・本作は、ソマリア内戦への超大国による介入とその失敗を描いたノンフィクション小説『ブラックホーク・ダウン アメリカ最強特殊部隊の戦闘記録』を『グラディエーター』の巨匠リドリー・スコットにより、映画化したもの。
・実際のソマリアが政情不安のため、地形の似たモロッコで撮影された本作は「戦闘そのものを同作の主役とする」スコット監督の意向により、145分の上映時間のうち、戦闘シーンは全体の2/3となる95分に及び、生々しい戦場描写が話題となった。
・出演は『パール・ハーバー』のジョシュ・ハートネット、『トレインスポッティング』のユアン・マクレガーに加え、トム・サイズモア、エリック・バナ、サム・シェパードが共演。また、ブレイク前のオーランド・ブルーム、トム・ハーディもキャストに名を列ねている。

②モガディシュの戦闘
・モガディシュの戦闘は、1993年10月3日にソマリアの首都モガディシュにおいて発生した米軍とソマリア民兵の戦闘。
・当初30分程度で終了する予定だったソマリア民兵の幹部の拘束を目的とした米軍の作戦は、夜をまたいで15時間にもおよび、米軍は2機のヘリコプターを失い、19名の米兵(国連軍兵士2名を入れると21名)が殺害され、ソマリア民兵・市民200名以上(米政府発表は1,000名以上)を殺害するなど、多くの犠牲を出した。
・米軍史上、もっとも激しい市街戦となったこの戦闘に衝撃を受けたアメリカ国民の撤退論が高まり、1994年ソマリアからの米軍撤兵を決定。また、この作戦の痛手によって、ハイテク戦争への方向を推し進めていく遠因となった。

③結び…本作の見処は?
現代戦『プライベート・ライアン』
◎:「衛生兵が足りない」…。ホラーさながらの生々しい描写を含む戦闘場面が延々と続く。これらの意図的な抗戦演出から、虚無感につながり、戦争の不条理さを描いている。
▲: 戦闘描写に作品ウエイトを振り切り、豪華キャストの判別さえ困難なのが、少々勿体ない。
YYamada

YYamada