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グッドフェローズのPikKaのレビュー・感想・評価

グッドフェローズ(1990年製作の映画)
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1950年代のニューヨーク。
マフィアたちが牛耳る街に暮らし、
その姿を幼少時から間近で見ていて
『昔からギャングになりたかった』
というヘンリー(レイ・リオッタ)が、界隈を仕切るポール(ポール・ソルヴィノ)の仕事を手伝いはじめるうちに伝説のマフィアであるジミー(ロバート・デニーロ)とも出会い、彼の右腕となって様々なことを経験しながら裏の世界で生きていく様を描いている。

マフィアにはマフィアならではの流儀や美学もあるし、裏の世界の絆は強力だからこそ、それが一度でも崩れてしまった時の反動も大きい。ファミリーを大事にしながらも心の奥底では互いに芯から信じてはいないし、いつものように笑顔で穏やかに話をしながら油断させておいて一気にトドメを刺すなんてことも日常茶飯事なので、その緊張感漂う駆け引きとかを観てる側もドキドキハラハラしっぱなし。

刑務所での唯一の楽しみでもある食事を
徹底的に準備する彼らの姿が楽しい。
下ごしらえ担当のポールが小さなカミソリでニンニクを丁寧に、それはもう極薄にスライスする場面とかは強面ボスなのに真面目にやっていたり、トマトソース担当のヴィニーの食材のこだわりや肉焼き担当ジョニーのステーキへの火通しのこだわりなども描かれていて、(看守を抱き込んでいる彼らだけの特権とはいえ)ここが刑務所ということを忘れてしまいそうなほど楽しそうで美味しそうな風景にお腹が鳴る(笑)

『リーサル・ウェポン』シリーズでもお馴染みのジョー・ペシが舌がもつれそうな軽快な早口長台詞は何度聴いても最高に楽しいけど、そのチャーミングな見た目とは裏腹に本作で演じるトミーは神経質で執拗な狂犬すぎて、トミーがいる場面では毎回「またトミーが何かやらかしそう」と思いながらドキドキしてしまう。

同じくスコセッシ監督とデニーロが組んで、引退した元マフィアをめぐる騒動をコミカルに描いた『マラヴィータ』もオススメ。
本作に触れる場面もあって、『マラヴィータ』を観るたびに本作を思い出して久々に観なおしたくなる。
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