かつて「ベイビー・ジェーン」として一世を風靡した子役の妹ジェーンと、
その後若手女優として晩成しかけた矢先、事故で車椅子生活を送ることとなった姉ブランチ。
そんな姉妹の45年後を描いた愛憎同居サスペンス劇。
永らくハリウッドを席巻し続けた二大女優の演技合戦により、鬼気迫るほどのインパクトを残す作品に成り得ました。
過去の栄光に囚われ続け、箸にも棒にもかからぬクソビッチへと老成を遂げたババアをサイレント期からの大女優ベティ・デイヴィスが熱演し、終始恐ろしいほどの怪演を魅せつけます。
姉への嫉妬と憎悪をぶちまけ、ふてぶてしい態度、だらだらと足を擦る歩き方、非道な仕打ち、醜悪に満ちた表情、ドぎつい化粧、どれをとってもあっぱれとしか言い様のない女優魂。
声色を変えてブランチの声帯模写をするくだりとかもう感動すら覚えるし、
リハーサルの光景とか思わずゾッとする。
そんな妹のいびりに耐え、二階で幽閉生活を送るブランチを同じく大女優ジョーン・クロフォードが好演。
彼女の恐怖に脅えた表情は逆にこっちが怖くなるほど。
エスカレートしていくジェーンの一挙一動にハラハラは止まらず、
事の真相は若干弱めながらも彼女の狂気は壮絶な大団円を迎え、凄まじい余韻を我々に残します。
「サンセット大通り」ってこれの12年も前の作品なんですね。
あと他のユーザーさんのレビューで「ミザリー」の名を目にしますが、実は私これ観たことないので是非観賞してみようと思います。