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ドーン・オブ・ザ・デッドのMOCOのレビュー・感想・評価

ドーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)
4.0
『その時青白き馬を見た。馬に乗りし者の名は「死」、あとに地獄を従えて』(ヨハネの黙示録6)


 1978年製作の『ゾンビ』(原題は同じ"Dawn of the Dead")のリメイクですが、眼光が鋭く高速でゾンビが襲ってきます。知能があるゾンビもいて従来のゾンビ映画のストレスがなくなり、完全に元の映画を越えています。  
 2002年の「28日後」と2004年のこの映画は高速で動くゾンビ映画の傑作です。一見の必要があります。
 
 ゾンビメイクのはしりは1962年「恐怖の足跡」だと町山智浩氏が解説していているのですが「恐怖の足跡」に出てくる死んだ人たちは結構早足です。「恐怖の足跡」は退屈な映画ですが、ある種類の映画の原型になっているのでこの映画も一見の必要があります(知る意味では観るべきですが、退屈な映画です)。

 ゾンビ映画のひとつのパターンに、グループの中に自分の能力では生き残ることが不可能だろう人物が、自分の身を守るために仲間を危険な目に合わせるものがあるのですが、たて籠ったモールの仲間に奥さんがゾンビとなったことも知らせずその子供を生ませるアンドレ・ブライアントと、クルーザーを所持する非協力的なスティーヴ・マーカスの行動には辟易してしまいます。

 ミシガン湖に停泊させているスティーヴのクルーザーに希望を託しモールを離れるアナ・クラーク(サラ・ポーリー)達は多くの犠牲を払い生存を勝ち得るのですが、彼らの目指す島がどうなっているのか・・・、それはエンドロールの中に途切れ途切れ流れる、彼らがクルーザーにあったビデオカメラで撮った映像の中に・・・。
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