クリーム

チェンジリングのクリームのレビュー・感想・評価

チェンジリング(1979年製作の映画)
3.8
不穏な映し方が上手く、見えない恐怖を煽ります。残虐なシーンや派手なオカルト描写はありません。音と雰囲気のみで作る恐怖。なので正直ホラーとして、怖くありません。だけど、展開や謎解きが面白かったです。品のある心霊ミステリーって感じです。古い屋敷も良い感じでした。

交通事故で妻と娘を失った作曲家ラッセルは、シアトル 郊外の古い屋敷に移り住みます。しかしその家では、怪奇現象が起き始めます。ラッセルは、不動産の紹介人クレアとこの家の過去について調べ始めるのですが…。



ネタバレ↓



屋敷に引っ越してから、超常現象が始まります。朝6時から30秒間鳴りつづける轟音、 屋根裏部屋にあったオルゴールからは、自分が作ったメロディーが流れます。イニシャル入りの本や小さな車椅子も出て来ました。風呂には突然水が溜まり、一瞬人の顔が水の中に映る。そして、次第に何かを訴える霊。
降霊術でレコーダーに録音された子供の霊の声をヒントに、謎を解いていきます。
霊の過去は、実の父に殺された少年。彼の実の父は現議員の亡くなった父で、資産家の妻の財産を手にする為、受取人で病弱で足の悪い息子を風呂で溺死させ、井戸に隠した。その後、別の少年を孤児院から養子に貰い、足の治療という名目で海外に行かせた。それが現在のカーマイケル議員だった。
謎は解けたし、証拠のメダルも見つけたが、霊の恨みをはらす事が出来なかった。霊は暴走し、家を燃やし、彼を殺した実の父が作り上げた偽物の息子を殺すのでした。

心霊ホラー作品として、変に作り込んで観せないのが逆にリアリティがあって、良かったです。幽霊の観せ方で、シラケる作品は沢山ある。ならば観せない方がよっぽど良いし怖く思えます。そして、心霊現象と共に謎を解いていくのは、ハラハラして心地良かったです。地味だけど、面白い作品でした。
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