タクマ

吸血鬼ドラキュラのタクマのレビュー・感想・評価

吸血鬼ドラキュラ(1958年製作の映画)
3.7
獣達が遠吠えをあげこの世が深き漆黒の闇に覆われし夜にその時は訪れる。さあ、血の宴を始めよう。平服せよ、私が偉大なるドラキュラ伯爵である。
吸血鬼映画の金字塔と言われる本作を初鑑賞。正直みる前のハードルはそんなに高くなかったですがこれは凄い!これを見なければこのジャンルは語るな的な考えは自分はあんまり好きじゃないんですが吸血映画だけでなく後世のホラー映画にも影響を与えたと言えるだけの説得力がこの映画にはあります。
まず冒頭は司書としてドラキュラ城にやってきたジョナサンハーカーの日記から始まるんですがこの時点で掴みは完璧です。彼の目線で語られる城の中の様子やドラキュラ伯爵の人物像や得体のしれなさがホラー映画としての見せ方としてよくできていて観客を映画の世界に入り込ませるのが上手ですね。全体的に重圧感のある空気とゴシックな世界観が吸血鬼ドラキュラの恐ろしさを際立たせる舞台装置としてしっかり昨日してるのが素晴らしいですね。
実際に貴族の血を引くクリストファー・リー演じるドラキュラ伯爵。細みかつ長身な色男だけどどこか相手にしたくない不気味さもあって実際に人の血を吸う場面の目つきはどこかギラギラして見えます。カアッと大きく口を開け牙から滴り落ちる血が彼をドラキュラ俳優滴しためた全てを表している。この場面が今の時代でみると成功な色合いや美術面からある種の芸術性を感じる一方で今から60年も前でこのカットは観客に与えた恐怖や衝撃も大きかった様に感じた。物語的には謎解きの側面も強くドラキュラの出番はそんなに多いわけではないですがその分一回一回の登場シーンは秀逸でお馴染みの弱点やそれを踏まえた上でのヴァンヘルシングのドラキュラ伯爵との対決も含めて後々のドラキュラ映画の基礎になったんだと思う映画でした。
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