ユナマリア

銀嶺の果てのユナマリアのレビュー・感想・評価

銀嶺の果て(1947年製作の映画)
4.0
三船敏郎と志村喬、小杉義男演じる銀行強盗が、雪山に逃れた後の話。

谷口千吉の監督デビュー作であり、三船敏郎の役者デビュー作でもある。

銀行強盗を犯した江島、野尻、高杉は長野県の北アルプスへと逃れる。

彼らは雪崩に巻き込まれてしまい、高杉に至っては消えてしまう。

何とか雪崩から逃れた江島、野尻が辿り着いた先は、老人と若い女性、そして登山家がいるスキー小屋。

吹雪が強い為、あと1週間は身動きが取れないと言われる江島と野尻。

小屋の中で一緒に過ごす事になるのだが、野尻は老人、そして持ち前の明るさを持つ春坊と仲良く過ごす。

しかし、野尻は外との通信が出来る伝書鳩を江島は殺してしまう…

三船デビュー作、そして黒澤明脚本と言う事で鑑賞したが、遭難とのとしてスリリングさと感動を兼ね備えた最高に面白い一作だった。

冒頭の温泉のシーンの緊迫感や、江島と野尻、そして本田による後半の山のシーンは、正に手に汗握る展開だった。

また、紅一点若山セツ子の明るさと器の大きい河野秋武が、陰湿な三船敏郎と対極的な存在となっていて良い。

改めて、親切心を大事にしなくてはいけない事と、音楽がもたらす効果を学んだ。
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