LalaーMukuーMerry

銀嶺の果てのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

銀嶺の果て(1947年製作の映画)
4.0
休日に母の家に行って、「家族はつらいよ」を一緒に見ようとしたのだが、お世話になっている人から映画のCDをもらったからそれを観たいという。信仰絡みの辛気臭いやつに違いないと思って、始め全く気乗りしなかったのだが、「銀嶺の果て」と手書きされたCDタイトルを見て、おやっと感じた。思ってたんと違う感じ、なんだろうこの映画? こういう時Filmarksはとても便利!
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私の第六感は大当たり! 1947年制作の日本映画、監督:谷口千吉、脚本:黒澤明、出演:三船敏郎と志村喬。おぉ! 
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雪で埋まりそうな谷川岳ヒュッテに、盗んだ大金を隠し持って逃げ込んだ二人の悪人。大雪でそこに閉じ込められていた登山家の男に、危険な谷川岳越えの案内をさせて、二人は逃げようとする。だが山を甘く見てはいけない。二人は崖から滑落して死にかけるのだが、ザイルでつながった命なら相手がだれであれ命を助けるのが山の掟と、登山家は身を挺して二人を助ける…
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終戦後わずか2年、山の道具も今とは比べ物にならない筈、厳しい高山でこんな過酷なロケをやったのか!と驚くような内容の作品でした。ストーリーも中々良かった。これで銀幕デビューした三船敏郎がメッチャ若い!(それに比べて志村喬は変わってない?)
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70年前の作品でなければ出せない当時の温泉旅館の様子が興味深かった。山小屋には、小屋守りの老人の他に、明るい孫娘の少女がいて、レコード聞いたり、山スキーを気持ちよくしたりとか(リフトもないのに)、なかなか優雅な山小屋生活。当時は山小屋って相当ハイカラなイメージだったのかな? 
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掘り出し物の作品に思いがけず遭遇できて、かなり満足。母は「家族はつらいよ」の方が気にいったみたいだったけどね。