Jimmy

ムアラフ 改心のJimmyのレビュー・感想・評価

ムアラフ 改心(2007年製作の映画)
4.5
シアターイメージフォーラム渋谷にて鑑賞。

会社帰りに、ヤスミン・アフマド監督特集上映(@シアターイメージフォーラム渋谷)にて鑑賞。これで、ヤスミン監督特集で上映された作品はコンプ。(7作品+α(MV))

「ムアラフ」とは「改宗」を意味するらしい。
この映画、宗教色は強めであるものの、宗教とは信仰である…とかいう描き方にはなっておらず、宗教と関わりながら生きていって、それまで考えたとおりの心が周囲に感化されて変化していく…という意味が込められた作品なので、この邦題に付けられた「改心」という言葉は素晴らしい!…と思った。

父から逃げるかたちで家出しているマレー系の姉妹は、叔母の空き家に暮らしている。姉は生活のためにパブでバイトしており、妹は高校に通う学生。この2人が、母親からキリスト教を押し付けられている青年教師と出会う。彼は、子供の頃の辛い体験から宗教を嫌っていたが、信仰を大事にする姉妹に接するうちに、自分の気持ちが変わっていく……

「♪I go home …」という歌で始まって回帰するあたり、これまた本作の見事な構成になっており、それが音楽の歌詞で描かれているあたりヤスミン監督のあたたかさを感じる。

宗教色が若干強めであるものの人間の生き方を描いた物語であり、見事な映画であった。
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