まさなつ

この広い空のどこかにのまさなつのレビュー・感想・評価

この広い空のどこかに(1954年製作の映画)
3.9
生誕101年 小林正樹映画祭@シネ・ヌーヴォ

戦後10年くらい経った頃、川崎の酒屋一家の話。
家族構成は、おばあちゃん(姑)、長男、その嫁、長女(小姑)、次男の5人。
おばあちゃんは後妻だったので、長男とは血が繋がってないです。
でもこの長男が、こんな人いないよなぁを絵に描いたような善人。店を支え、みんなに優しい。長女は戦争で足を怪我して捻くれ者。嫁にも冷たい。すでに人気女優だった高峰秀子がよくこんな役引き受けたなと、最初は思いました。でも最後はちゃんとフォローしてました。次男はこれまた典型的な末っ子気質。みんなの緩衝材になってます。

サザエさんのように、いろいろあっても家族で暮らす幸せを、純粋に描いてます。まあ、ちょっとこそばゆくも感じますが、清々しいです。

少し大げさかもしれないですが、小津にも成瀬にも師匠の木下にも負けないホームドラマだと思います。
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