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ホビット 思いがけない冒険のbackpackerのレビュー・感想・評価

4.0
◾︎ホビット三部作第一章

【作品情報】
公開日   :2012年12月4日(日本)
作品時間  :169分
監督    :ピーター・ジャクソン
製作    :ピーター・ジャクソン、フラン・ウォルシュ、キャロリン・カニンガム
脚本    :フラン・ウォルシュ、フィリパ・ボウエン、ギレルモ・デル・トロ、ピーター・ジャクソン
原作    :J・R・R・トールキン
音楽    :ハワード・ショア
出演    :マーティン・フリーマン、リチャード・アーミティッジ、イアン・マッケラン、クリストファー・リー、ケイト・ブランシェット、イアン・ホルム、イライジャ・ウッド、ヒューゴ・ウィーヴィング、アンディ・サーキス、ほか

【作品概要】
J・R・R・トールキンの創造した中つ国の物語。
ラルフ・バクシによるアニメ版『指輪物語』と、ピーター・ジャクソンの『ロード・オブ・ザ・リング』(以下、LOTR)三部作に続き映画化されることとなったのは、指輪物語の前日譚である『ホビットの冒険』であった。

LOTR三部作の成功により、ピーター・ジャクソン監督による『ホビット』映画化は検討されていたが、数多のゴタゴタにより白紙。
その後、監督にはギレルモ・デル・トロが決定し、脚本準備やプリ・プロダクションへと既に走り出していたにも関わらず、スケジュール遅延が発生(MGMの財政問題により作業がストップ。その結果、デルトロ監督泣く泣くの辞退となり、急遽ピーター・ジャクソン監督に再度白羽の矢が立つこととなった。

原作である『ホビットの冒険』は児童文学色が強かったため、映像化に際してはLOTRとの地続き感が醸成されるよう、『指輪物語 追補編』等から情報を補完し、オリジナル要素も追加。三部作として完成した(当初は二部構成を予定)。

【作品感想】
LOTRから公開から約10年、『指輪物語』の前作である小説『ホビットの冒険』が遂に映画化!
個人的に『ホビットの冒険』には『指輪物語』よりも思い入れがありますので、かなり期待していた本シリーズ。
結論を言えば「三部作じゃなくてよかったけど、概ね満足」ということになりますが、第一章たる本作初鑑賞時は、その出来栄えに大興奮した記憶があります。

久しぶりに再鑑賞した本作、オリジナル要素と原作にあった児童文学の雰囲気(ドワーフが乱痴気騒ぎしながら唄を歌うとか)とのバランスが小気味よく、それでいてLOTRへの地続き感もしっかり確保され、ピージャクが監督に就いてなんやかんや良かったなと思います。

三部作の一作目としての世界観構築や説明の負担等は、LOTRの存在もあり、たいして時間を割くことなく進んでいきました。
もとより世界的超人気ファンタジー小説であったことも踏まえれば、別にそこまで丁寧でなくても大丈夫ってことかもしれませんが、本作導入部等は初心者・一見さんには少々不親切だと思います。
そのへん別に問題ない旧来からのファンには、迅速に展開するのは願ったり叶ったりですかね。

『指輪物語追補編』で登場したオークのアゾグを、トーリンの宿敵としての穢れの王アゾグに据えるオリジナル展開の結果、迫力のドワーフvsオークの戦争シーンは、大満足の出来栄え。
その後も、対アゾグ戦を軸にしたことにより、窮地に立たされる仲間たちを、ビルボの機転と勇気で乗り切ることで、トーリンから真の仲間・真の友として認められる展開がスムーズに作用しましたね。

さてさて、上場な滑り出しを決めた第一章ですが、もともと1冊で完結している児童文学系の原作を三部作にするという試みがどのような結末に至ったのか、皆さんの目でご確認いただければと思います。
私の個人的な感想は、第三章『ホビット 決戦のゆくえ』(五軍の合戦)のレビューにて記すことといたします。
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