ユーライ

劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者のユーライのレビュー・感想・評価

4.8
原作&旧アニメの筋書きうろ覚え、09年版はリアルタイム。ボンズ肝入りグレードのある画面で1920年代のヨーロッパを精緻に描いていることにも驚かされるが、TV版に引き続き扉の向こうは現実世界でしたというトンデモを使って「夢と現実」會川昇がこだわり続けるテーゼを展開する。それでいてハガレンらしさと劇場版のお約束が奇跡的なバランスで成り立っているウルトラC。夢を追い続けても、気付けば血生臭い権力に利用されて裏切られる。誰も望んでいないはずなのに戦争は起こり続け、楽園などどこにもない。言うまでもなく現実は徹頭徹尾、クソで出来ている。そんなリアルを直視しながら生きることを選択した兄弟の後ろ姿に心打たれた。大総統の姿をしたフリッツ・ラング先生の出演、アレはズルですね。
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