ペコリンゴ

赤ちゃんの逆襲のペコリンゴのレビュー・感想・評価

赤ちゃんの逆襲(2003年製作の映画)
3.8
記録。
生後3ヶ月。なめんなよ

『奇人たちの晩餐会』『ピエロの赤い鼻』のティエリー・レルミット主演のリベンジコメディ。

大手建築会社社長のポレルはもうすぐ生まれてくる息子を心待ちにしている。一方、うだつの上がらない絵描きのシモンはポレル社で建築中の建物が自分のデザインの盗作だと確信し同社に抗議に向かう。

追い払われて警察に連行されそうになったシモンは逃走するが、ポレルの運転する車に撥ねられて虫の息。時を同じくしてポレルの妻クリステルは産気づく。シモンは死を受け入れるが、その次の瞬間、彼は生まれたばかりのポレルの息子として目を覚ました…。

と、長めにあらすじを書きはしましたが、つまるところ、転生前の記憶と恨みを引き継いだ赤ん坊がその矛先である父親を困らせるお話。

すぐ死んじゃうけどシモン役のミシェル・ミューラーがバナナマン日村に似てて笑けます。

『ベイビー・トーク』のブルース・ウィリスのように彼が赤ん坊のアテレコしてるのがポイントで、一応赤ん坊の心の声という体裁だったあちらと違ってこっちはリベンジに燃える純オッサンなワケです。

そんなオッサン赤ちゃんにしてやられる新米パパがティエリー・レルミット。クズな登場人物が多い中で実はかなりイイ人。

嫌がらせの内容は当初こそ可愛いもんですが、”父親が一番悲しむこと”を目指し始めてからはブラックでスリリングな展開が増えていきます。あんなオチを持ってくるところもとても良き。

ほのぼのコメディを期待すると悪い意味で裏切られますが、個人的には結構好きなタイプの作品でした。