spring˖*♬೨̣̥

きみに読む物語のspring˖*♬೨̣̥のネタバレレビュー・内容・結末

きみに読む物語(2004年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

認知症を患い過去を思い出せずにいる老女と共に、療養施設へ入寮しているデュークは、ノートに書かれた物語を彼女へ読み聞かせている。物語は、1940年のアメリカ南部シーブルックを舞台にした、青年ノアと少女アリーのひと夏の出来事であった。

数十年後の、つまり『現在』の二人と過去の二人が交錯し、またその『現在』にも悲惨な現実があったりして、なかなか一筋縄ではいかない。二人はあくまで誠実に、自分に向き合い相手に向き合い、結論を出そうとする。その姿勢が本当に美しい。人間はここまで誠実になれるのだ、と思う。

結論は決してハッピーエンドというわけではないが、それでも観る人はたぶん、深く納得してしまう。

患者とのやり取りは淡い希望と忍耐、絶望の繰り返しです。それでも、この作品を観て「奇跡」はあるんじゃないかと胸を熱くして淡い希望を抱きます。

とても悲しくて切なくなりますが素敵な物語です。私もこんな風に二人の愛が終わらせられたらいい。