堊

狼少女の堊のレビュー・感想・評価

狼少女(2005年製作の映画)
1.1
人生ワースト級。本当にひどい。右から投げ込まれたランドセルに気がついて左を向く人物。いやそういうのはいいとして、脚本が終わっとる。見世物小屋で働く転校生と仲良くなった主人公たちがまわりのいじめにも負けず友達になってあげる、なんてあらすじなのだが、貧困描写が城定作品以下な上に脚本が酷い。貧乏すぎてブラジャーの買えない転校生(謎のスローと効果音で胸元がアップになる)、忍び込んだ見世物小屋の美術の安っぽさ、放課後にやってる遊びは恐竜の化石探し、金持ちの家なんだよ→金持ちの家に見えない門を一瞬映すetc。そもそも狼少女役の女の子が貧乏だからツギハギの服を着て、髪がボサボサってまじでなんなん……。考えたり、映画をよくしようとした努力が一ミリも見えない半兵ヱ並のあるある昭和ノスタルジーが重松清的な小学生ファンタジーでまぶされてるというか…。フィルムで撮られた映像の質感と、土手を走る主人公を真横から捉えたショットはちょっと良かったりするし、小学生全員の演技はそれなりに頑張っていたりするのだけれど、硬さが先行して自然な小学生感は遠ざかり、音楽の挿入のテキトーさが相まって次に何が起こるかわかることしか発せられない脚本を強調するだけ。今公開されてたらふつーに炎上してそう。こんなに金と人をかけてこんな風になっちゃうことあるんだ。
堊