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火天の城のsithmaroのレビュー・感想・評価

火天の城(2009年製作の映画)
3.3
戦国時代末期を描いた映画は数あれど、これほど地味な映画もそうそうないだろう。

ストーリーは張の宮大工、岡部又右衛門が織田信長の命により安土城を完成させるまでを描いている。
一応信長や秀吉、丹羽長秀といったお馴染みの武将も登場はする。
しかし戦国時代と言われた時代を生きていたのは武士のみではないという当たり前なのだが、忘れられがちなことをこの映画は教えてくれる。

地味とは書いたが、映画の作りは堅実そのもの。
キャスティングも観客に媚びを売らず、選ぶべき俳優を選んでいると思わせる安心感がある。
個人的には椎名桔平の信長が特に良かった。
こういう毒のありキャラを演じさせたら彼の右に出る者はいないのでは?と思わせる、ある意味理想的な信長像に思えた。

演出はやや冗長で盛り上がりに欠けると言えなくもないが、個人的にはこういう歴史映画はもっと増えてもいいのではないかと思う。
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