めしいらず

キートンの大学生/キートンのカレッジ・ライフのめしいらずのレビュー・感想・評価

3.1
秀才とスポーツマンの世界は交わらない。恋するヒロインにアピールしようと様々なスポーツに挑戦するガリ勉の主人公であるけれど、運動オンチで何をやってもまるでダメ。醜態を晒しては恋敵や取り巻きたちから嘲笑され揶揄われてばかりいる。でも苦手なことに一生懸命に取り組んでいる彼の姿に心動かされ始めるヒロイン。危機感を覚えた恋敵は強硬手段に打って出るが、彼女のピンチに駆けつけた主人公は運動オンチだったのがまるでウソみたいに、経験した様々なスポーツの技術を用いて恋敵を撃退し、ついに恋を実らせるのだ。驚異の身体能力のキートンが運動オンチを演じる可笑しみ。走り高跳びで頭から着地しスケキヨ状に突き刺さるなんてのは、運動オンチとは真逆に高い身体能力と度胸を示して余りある所業だろう。キートン作品にしては笑いよりも哀愁を感じさせるような作りで、だからクライマックスのヒロイン救出の件りにファンは快哉を叫ぶのである。好編。
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