好き勝手なてそ

キャリーの好き勝手なてそのレビュー・感想・評価

キャリー(1976年製作の映画)
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キャリーオリジナル版。2013年のリメイク版を前に見たことあったが、ほとんど内容を忘れてしまったのでこちらを鑑賞。

■あらすじ
狂信的な母親のもとで育ったキャリーは学校ではいじめられ、惨めな想いをして過ごしていた。
キャリーはある日クラスメイトのトミーから、高校最後のプロムに一緒に行かないかと誘われる。母からは笑いものにされると止められるがーーという話。


■ざっくり感想
血たっぷりだけど、グロかと言われるとそんなでもない。
良くも悪くも、あまり深く考察しなくていい作品かな〜と思うので、頭からっぽで見れるけど、心はずーんとなる。

毒親を信じて育ったばかりに、学校では変なやつと思われ、誰を信じたら良いかわからない。
なぜキャリーはこんなつらい思いをしなければならないんだろう?
私はこういう作品は本当に「胸糞」ってやつだと思う。
ホラー映画としては面白い作品だけど、何を伝えたくてこれを作ったのか純粋に気になる。

全然関係ないけど、ド頭から女生徒たちのフルヌードが出てくるけど、1人すっごい毛深い人がいて純粋にびっくりした。
欧米人ってもっとつるんつるんのイメージだった。

内容で詳細に気になったり面白かったところは下に書きます。



ーー以下ネタバレ含みますーー



■スーとトミーは味方?

プロムのシーンで、スーがバケツへの紐に気づいて裏から出てくるシーンがあるけど、スーは本当にクリスの計画を知らなかったのか??
些か信じられないけど…?
先生も怪しんでスーとトミーを呼び出していたけど、本当にスーたちには別の目的はなかったということ?
スーはキャリーに対して本心から悪いと思っていたとしても、じゃあ普通に謝ればいいじゃんと思うし、
なんで自分の彼氏に嘘つかせてまでプロムに付き合わせたのか本当に謎だった。
最後の優勝者決める時間になってから学校に行ったし…。

トミーも役者すぎる。彼女にお願いされて誘ってるのに、普通キスまでしちゃうか?
キャリーが詩を褒めたから誘ったというけど、あれはトミーが作った詩ではないので、別にトミーは嬉しくなかったと思う。
トミーも血まみれの計画は知らなかったように見えたけど、ちょっと謎だったな。


■キャリーかわいそうすぎる
キャリーはずっと母親からの偏った情報で育ってきたため、生理すらまともに知らない。
自分の家は変だと薄々は気づいていたから、普通の子と同じになりたいと願った。それで、愛する母の反対を振り切り(プロムに行く前に「ママ愛してる」って言うのよ;;)、
トミーや先生を信用して意を決してプロムに行くけど、結局学校のみんなにも裏切られる。
スーやトミーや先生とは、本当はわかりあえたかもしれないけど、
暗闇に1人取り残されたような状態のキャリーには、どこに味方がいるかわからない。
怒りと悲しみが爆発して、無関係な人たちまで殺してしまう。

もう自分には母親しかいないと最後の頼みで母にすがると、母からは生んだのが間違いだったかのように言われ殺されかける。
この子が何をしたっていうのか…
それとも結局悪魔的な力ってこと?

キャリーはサイコキネシスの力で逆襲をすぐするわけだけど、キャリーの怒りや悲しみが爆発して、理性的ではない状態で起こしてるように見えたので、根本的な解決とはいえないしスカッともしない。
もしキャリーが生き残っていたとしても、きっとつらい気持ちを背負いつづける運命だったと思う。
本当に、あの子が何をしたというのか…。かわいそうな話だな。


■ちょっと面白かったところ
(1)家を燃やすしかないロウソク
プロムからキャリーが家に帰ったとき、どこからでも火事が起きそうなレベルでロウソクが立ってたのが結構面白かった。
上がちょっと曲面になってるようなおしゃれ冷蔵庫にもロウソクが立っててわりとじわじわ来てたのに、次のシーンでベッドの上にもロウソク立っててもうだめだった。

(2)母親の迫真の演技
そこ大事なんだっけと思うくらい、母マーガレット役パイパー・ローリーの狂った演技がすごかった。
ずーっと話が通じてない感じが怖かった。

(3)プロムでのニ画面展開
火災になってから画面が左右2分割されたのはなかなか斬新だった。
確かにあって良さそうな手法だけど、あまりほかの映画で見たことないし、
実際両方見るのってかなり大変だったから多分今でもみんなやらないんだろうなぁ^^;



リメイクももう一度見返したくなった。
いじめが題材の映画はやっぱりちょっと見るのつらいけど…。