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竜馬の妻とその夫と愛人のkazuのレビュー・感想・評価

竜馬の妻とその夫と愛人(2002年製作の映画)
5.0
良い脚本と良い監督がタッグを組めば
面白さは何倍にもなる。

その典型だな、と思わされた。

木梨憲武、鈴木京香
中井貴一、江口洋介。

4者4様、人間味溢れる役、
素晴らしい演技。


ものすごく「大人のエンタメ」。
シュールでウィットで
ドタバタしてて馬鹿馬鹿しくて
いちいち面白い笑

映像もさすがの市川準。
会話劇メインのシーンが多い中で
俯瞰で撮ってみたり

妹(小林聡美)、竜馬(トータス松本)
のインサートなど
会話だけでも成立しそうなささやかなシーンをわざわざ映像で盛り込むあたりに、ものすごくエンタメを感じるし、このきめ細かさが作品の質をあげているのだろうと感じさせてくれる。


少し斜に構えた感想を。

登場人物はほぼ全員、
坂本龍馬という偉人を
「引きずっている」のだけど、

この映画を通して
実はぼくら観客も
坂本龍馬がどんな人だったのかを
「引きずりなから」
観ているのではないか?と。

そしてもしも引きずっていたのなら
「坂本龍馬使ってなにしてんだよ!」
とか
「そんなんじゃないよ!」
と感じてしまって
この映画を楽しめないのではないかと。

そこを一歩前に進んで
こんなシチュエーションもアリだ
とシンプルに観ると
メチャクチャに面白い笑

そしてその「引きずり」に対しての
明確なアンサーが
「(こっちは)生きてっから!」
なのではないかと。


江口洋介がケツキック喰らうなんて
今後二度と観れないだろうし
中井貴一と憲武のやり取りは
一生観ていられる笑

主要キャストのシーン以外で
必ず町の人とのひとからみがあるのだけど、それがあることで
映画のリアリティが何倍にも増し、
町の雰囲気が立体的に見えて…
さすがだなー、と感動した笑

印象的なシーンはいくつもあるけど
なんと言ってもラストの
木梨憲武のカミングアウトを受けての

中井貴一の…顔!!!笑

思い出しただけでも
笑いが込み上げてくる笑


とても質の高いコメディでした🎵
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