コーカサス

竜馬の妻とその夫と愛人のコーカサスのレビュー・感想・評価

竜馬の妻とその夫と愛人(2002年製作の映画)
2.7
脚本家・三谷幸喜が舞台用に書き下ろした作品を、『トキワ荘の青春』の市川準監督が映画化。

物語は竜馬が暗殺されてから13年後―。
坂本竜馬の十三回忌を催すため、新政府の役人・菅野覚兵衛(中井)は、元妻のおりょう(鈴木)を探し訪ねると、彼女は西村松兵衛(木梨)と再婚していた。
しかし、どうやらふたりは上手く行っていない様子で…。
そんなある日、おりょうは竜馬そっくりの男・虎蔵(江口)と意気投合し、駆け落ちを計画する。

あまりにも不甲斐ない松兵衛に対し、竜馬に似たミステリアスな虎蔵とおりょうの関係を描いた前半までは良かったが、彼の正体がバレてからの後半は残念極まりない。
特にラストのオチは如何なものか。
“歴史に if はない”とはいうものの、“もし”竜馬暗殺の裏側に、そのような松兵衛の関わりがあったとしたら、それは私のような熱心な龍馬ファンであればあるほど笑えないはずだ。

とはいえ、(木梨はともかく) 中井貴一と鈴木京香の芝居はいつ観ても安心出来、中でも偽竜馬を演じた江口洋介は、本作の2年後、同じ三谷脚本の大河ドラマ「新選組!」にて、“本物”を演じることになる。

18 2023