ヤマト

アヒルと鴨のコインロッカーのヤマトのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

【 いけないことと粋なこと 】

 神、すなわち、ボブ・ディランの歌声が物語のすべてをつなげた。いくらなんでも素晴らしい設定である。さすがは伊坂幸太郎さんだ。ノスタルジックな雰囲気が漂っている映像も好きだ。映画化してくださった監督さんにも感謝である。
 さらにはブータンという国を扱う作品も初めてで、鳥葬や生まれ変わりの考え方など、これまた興味深かった。人は潜在的に“外からの人”に対して抵抗を示してしまう生き物なのだろうか。登場人物のやり取りから、ふとそんなことを考えさせられた。

 いけないことは人として許されることではない。神様だって許してはくれない。ただ、いけないことを阻止するためのいけないことは粋なことと見なされて、目を瞑ってくれることがあるかもしれない。椎名や河崎たちの行為は、いけないことではなくて粋なことだったのだ。
 最後のエンドロールがロッカーの中を背景にするのもすごくよかった。
ヤマト

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