ひさと

愛の残像のひさとのレビュー・感想・評価

愛の残像(2008年製作の映画)
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写真が過去の存在を現前とさせる(時間の圧搾)として存在しそのものと向かいあうことができる。

不倫をする女(キャロル)と夫がいることを知りながら付き合う写真家の男(フランソワ)本当に激しく愛し合えば一つになれる、愛が終わればその存在が消えるだけ。そうキャロルは言い、そう上手くはいかないよというフランソワは言う。
そしてキャロルは私たちなら大丈夫という。

「残像」から引用すれば
'像'として認識されるのは、君が吸収したものだ、こうした風景からね、ものを見ると目に像が映る、見るのをやめて、視線をそらすと、今度は、それが残像として目の中に残る、残像は形こそ同じだが、補色なんだ。
"残像"はものを見たあと網膜に残る色なのだよ。人は認識したものしか見ていない。

愛の残像、愛という、形を持たないものに対しこのように終わり方で形を持たせた瞬間だと感じた。
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