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愛の残像のpikaのレビュー・感想・評価

愛の残像(2008年製作の映画)
4.5
えっ?と呆気にとられるラストの衝撃。
モノクロの美しい質感や、カメラの向ける対象で魅せる極端過ぎるほどの意図的な演出が展開を惑わす巧みさ。
こうだからこうで、次はこうなるんだろうなぁというこちらの思惑を裏切り続ける後半の展開の面白さたるや、前半の独特な雰囲気と意味深な演出で引き込むパワーも見事だが、さらにその上を行く衝撃的な面白さだった。笑

見ながらアレコレと「愛とは」なんて哲学的な思考をさせる絶妙な間合い、疲れるくらいに夢中にさせておきながらストーンと娯楽然とした方向に落としてしまう。
主人公を軸にしながらも描写する対象は主人公の外側であることも面白く、主人公の感情が最後までわからないというのもこの展開のエンタテイメント性を引き立てている。
これぞ映画の醍醐味!

ラストシーンは何回も巻き戻して一時停止して隣で携帯ゲームしていた家族にあらすじを説明して画面の向こうの正体を一心不乱に聞いてしまうくらい「なんだこれは」だった。なんすかあれは!
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