陰謀論者X

ポセイドン・アドベンチャーの陰謀論者Xのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

小学生の頃にテレビ放映されていたのを見て、天地がひっくり返ったシチュエーションでサバイブする絵面は斬新で「自分だったらどうする‪……‬❓」と色々想像していたのをよく覚えています。

破戒的でアグレッシブな牧師にジーン・ハックマン、意見の対立をする犬猿の仲の警官にアーネスト・ボーグナインとその妻(元売春婦)、仲の良い老夫婦、姉弟等キャラクターの振り分けが非常に上手いんですよね。

大地震による津波で上下逆さまに転覆するシーンの客船内の惨状は「これぞディザスターパニックムービー❗️」という感じで実に見応えがあります。牧師は上(艦底)を目指すべきだと人々を説得するもパーサーの言う事を盲信した人々が水に飲まれていく地獄を見てやるせなくドアをそっ閉じするシーンや、生き残っていた別の生存者たちが沈みゆく船首へ幽鬼の群れの如く歩き続けるシーンでは群衆心理の愚かさを描いています。

肥満体を押して閉鎖空間の水中に飛び込み溺れかけた牧師を助けたのは良いものの心臓麻痺を起こしてしまい牧師に看取られながらあえなく死んでしまう老夫人の場面や、試練を与え続ける神への呪詛を吐きながら道を切り開く牧師が後のことを警官に託した後に力尽きて火が燃え盛る水面に落ちるシーンでは「あぁ〜💦」となりました。そこで力尽きてしまうのかと。

最後、鉄板の厚みが一番薄い部分から救出隊に助けられて船外に脱出して晴れ渡った青空を見た時の「助かった❗️」という開放感と救助ヘリが無事に飛び立った瞬間の達成感は半端なく、とても50年前の映画とは思えないほど清々しい気持ちになりました。これは名作ですよね。
陰謀論者X

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