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天使にラブ・ソングを…のbackpackerのレビュー・感想・評価

天使にラブ・ソングを…(1992年製作の映画)
3.0
子どもの頃は単に無邪気に楽しく見ていましたが、改めて見返してみると、実によくできた作品で驚きました。
無駄のないテンポ感。クスリと笑える小ネタ。随所に仕込まれるカトリックへの目くばせ。一人の女性が自己を肯定し自分の道を進む鉄板展開。
惜しみなく楽しい要素だけ見せてくれる気前の良さが、100分の枠にみっちり詰まっていることで、ながすぎず短すぎず丁度良い、絶妙な塩梅の作品でした。

また、"街に蔓延る邪な事"として描かれる世間の風俗(外界の悪魔)から修道女を守るべく、隔絶されたサンクチュアリとして存在した修道院長と修道院全体が、偶然に内に引き込んだ異分子によって開かれた存在へと変化していく姿は、痛快であると同時に、一抹の寂しさのようなものを抱かせます。

個人としては、アブラハムの宗教に連なるアレコレに関して興味は持っているものの、修道院に関する知識等は人並程度のもので、服装や装飾品、食生活や修行内容等はサッパリ。そのため、本作で画面の端々に移りこんだキリスト教芸術及び修道院の内装等の美術を見て、もう少し理解を深めないとなぁと思ったりしました。
もっとも、これはドキュメンタリー等で感じ取るべきことな気もしますが……。
やっぱりどこかで、『大いなる沈黙へ』を鑑賞中断し数か月以上放置していることが引っかかってるのかもしれません笑
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