Palak

トスカーナの贋作のPalakのレビュー・感想・評価

トスカーナの贋作(2010年製作の映画)
3.5
いやー面白いわこれは。キアロスタミの底知れなさを改めて感じられる怪作。
単なる疑似恋愛と言うかごっこ遊びの内容としても攻めてて面白いんだけど、知らないはずの言語を使い始めたり、存在しない記憶が現実に干渉していったりと、現実と虚構の境がどんどん溶けていく心地の良い不条理さ。
劇中の書籍のテーマである、オリジナルと同様の価値を持つフェイク、もしくは本物を超える偽物というのはある意味映画というメディアそのものな訳で、そのテーマをメタ的に体現するシニカルで実験的な映画だった。
Palak

Palak