らんらん

黒い潮のらんらんのレビュー・感想・評価

黒い潮(1954年製作の映画)
4.0
日活、モノクロ、風刺ドラマ
出演者、山村聰、津島恵子、左幸子
滝沢修、東野英治郎、河野秋武、信欣三、安部徹
柳谷寛、清水元、伊沢一郎、石黒達也、小笠原章二郎、田島義文
下元勉、芦田伸介、下條正巳、浜村純、外野村晋、内藤武敏
進藤英太郎、四方正夫、中原啓七、近藤宏、夏川静江、沢村貞子
石山健二郎、千田是也、青山杉作、小川虎之助、御橋公、中村伸郎

【内容】
大手新聞社で働く主人公(山村聰)を通して報道のありかた、売上のための憶測先行記事を否定して真実の報道にこだわることの大切さを説く(&お上による不条理も)、みたいな硬派な社会派&風刺ドラマ

・ストーリー
深夜の線路内で国鉄総裁の遺体が見つかった事件で
ライバル新聞各社は他殺寄りの報道をする中で
主人公は事実のみを報道するスタイルを貫き通すので(自殺とも他殺とも言わない)、売上にも影響が出て左遷寸前まで追い詰められた
だが一発逆転自殺説が濃厚となかったことで胸を撫で下ろす主人公らだったが
自殺では都合が悪いお上(政府上層部?)による判断で事件は迷宮入りとなってしまい、主人公らは正しいことをしていてもどうしようもない不条理に打ちのめされるのであった、、、

【感想】
下山事件をモチーフにしてる映画なんだけど、当時だとまだ5年前なんだなーって思った
現在ではもはや歴史の中の出来事だけど当時からしたらつい最近のことなのよね、っていうのが一番の感想

それくらいの大昔の時代なので現代の視点で見ると違和感を感じることがいくつかあって、それをあげていく
新聞記者が男ばっかり
若手もいるんだろうけどみんなおっさんにしか見えない、そして当たり前のようにみんな喫煙者
一応社内に女性の左幸子がいるけどお手伝いみたいな感じ?
あとは
戦前の映画にもよく出てくる会社内で子供がパシリみたいな仕事してるやつ、これってまだこの時代もあったのね
それにしても「おい、子供!」とか呼ばれてて、それはあんまりじゃないかと思った

・出演者メモ
華やかさは足りないけど実力派の役者さんが多く出演している映画
山村聰はガッツリ主人公してる
津島恵子、左幸子はおっさんばかりの中で華を添えてくれてる(ただし本筋には絡んでこない脇役)

印象に残ったのは
信欣三&河野秋武のコンビ、滝沢修の出来る上司っぷり、東野英治郎の朗らかさ

ちなみに芦田伸介、下條正巳、内藤武敏あたりはどこで出てたかわからなかった
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