頭の上の赤い林檎

コラテラルの頭の上の赤い林檎のレビュー・感想・評価

コラテラル(2004年製作の映画)
3.7
 私は、東京が好きだ。特に夜。人工的な光と建造物が作り出す人工的なユートピア。
 自然が持つ本来の美ももちろん好きなのだが、それにも勝る美しさが大都会東京都にはある。

 子供の頃初めてお台場から夜景を眺めたあの時から東京はわたしのロスタルジーを掴んで離さない。

 だから東京事変も好きだし、くるりの東京も好きだし、東京フラッシュもvanudyなら好きだし、東京ばな奈も好きだ。おいしいから。

 閑話休題。

 ということは、例に漏れず国外の都会も好きだ。

 今作ではそんな大都会ロサンゼルスでタクシー運転手を務めるジェイミーフォックスがどっからどう見てもトムクルーズな謎の老齢トムクルーズをピックしてしまったがために、大事件に巻き込まれる話だ。

 ジェイミーフォックスのいい感じのポップさ。夜のロス、夜のタクシー、寡黙なトムクルーズが起こす急展開。それらが醸し出す不穏さ。全て合わさってベストマッチ。最後まで目が離せない素晴らしいサスペンスである。

 コメディテイストに貼られた伏線が後半見事に回収されていく。
 
 ラスト、6時間死亡に気づかれずロスの地下鉄に乗り続けた死体が己の結末。少々綺麗にまとめたいというエゴが見え隠れしなくもないが良いラストだと個人的には思う。

 ジェイミーフォックス、エディマーフィー味あってよかった。エレクトロとは打って変わった印象で俳優の偉大さを感じました。