たむランボー怒りの脱出

小林一茶のたむランボー怒りの脱出のレビュー・感想・評価

小林一茶(1941年製作の映画)
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佐藤真の著書のなかで亀井文夫というドキュメンタリー作家が取り上げられていたため鑑賞。

この亀井文夫という監督は戦時中に『戦ふ兵隊』という軍部のプロパガンダ映画の制作を引き受けたのだが、その映画は外見としてはプロパガンダの殻を被ってはいるものの、その内実は軍部を批判する内容の作品であるそうな。

そしてこの『小林一茶』という映画もまた、長野県のPR映画として企画されたドキュメンタリー映画である。(小林一茶のドキュメンタリーではない。)

亀井文夫のスタンスというのは「言葉」と「映像」のモンタージュによって映画の中の事実を批判するというもの。
この映画でも、小林一茶の句と長野県の農民の現状をモンタージュすることにより、当時の農民の状況が決して豊かではないことを訴えている。

どうみてもPR映画とは思えないこの映画を作ってしまったことにより、亀井文夫は当分干されてしまったらしい…。