きまぐれ熊

パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉のきまぐれ熊のレビュー・感想・評価

3.2
監督変わるとこうも変わっちゃうか〜

1番痛かったのはバルボッサのカリスマ性が消えちゃってるとこだな
部下が死んだ時に「邪魔だ」って躊躇なく切り捨てるほど情の薄い性格でも、余裕がないキャラでも無かったと思うんだが

ジョニーデップパワーで何とか見られたけど、脚本からユーモアが全くなくなったのも大きくマイナス

ストーリーは大して複雑でもないのに、分かりにくい
1番大きいのはスペイン軍の動向に対するフォローが全然ない事だと思う
軍服もイギリス軍との差が分かりにくいし

あとは本作オリジナルキャラの宣教師フィリップに宣教師である以上のアイデンティティーが無かったのがダメっすね
ウィルとかエリザベスとか、異常に我が強いキャラが動き回るシナリオが魅力的だったのに、個人の我を見せない普通の人を出してきてもそりゃ物足りないわ

その結果、ジャックの視点でストーリーを進めることになっちゃって、引っ掻き回す狂言回しとしての魅力を発揮できなかった印象

ヒロインのアンジェリカも翻弄するヒロインでもなく、共感できる人間性があるわけでもなく、どこもグッとこないまま終わった
ヒロインとのイチャイチャよりブラックパールへの執着を大切にして欲しかったところ

黒ひげも何の理由もなく超常のパワー持ってるしもはやワンピースかよ
超常の力に対する制約やレギュレーションがシリーズの面白さだったのに理由なくミラクルパワー使われると覚めちゃうなぁ
人形作りまくればお手軽に世界征服できるでしょ
バルボッサがロープマジック使えてたのできっと黒ひげの剣にパワーがあるんだろうけど、その逸話を解説してくれないのも何とも
あくまでも伝承や伝説由来である所に最低限のリアリティがあったので、軽視すると全体的に底が浅くなるのよね

映像的には彩度が上がって万人向けに見やすくなったけど、きったねぇ垢まみれの顔とか海賊衣装のドロドロ感もなくなったもんでリアリティも捨てちゃったなぁ

毒にも薬にもならないストーリーだった
きまぐれ熊

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