さすらいの旅人

地球防衛軍のさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

地球防衛軍(1957年製作の映画)
3.6
★原水爆で攻撃してはならない
【CATV/日本映画専門ch/放送BD録画視聴/シネスコサイズ】

現在、午前十時の映画祭で4Kリマスター版が全国公開中。
私が再鑑賞したのがHDリマスター版であるが、画面自体は綺麗だが黄色く退色気味であった。しかし、当時最高峰の黄金コンビである本多猪四郎監督と円谷英二特技監督、そして伊福部昭音楽は感動的で素晴らしい空想科学映画を作り上げた。

地球を攻撃するミステリアン、対抗する国連を中心とする地球防衛軍の攻防は手に汗握る。新兵器の熱線を放射する巨大な電子砲など東宝特撮ではお馴染みの新兵器が登場する。当時CGの無い時代のアナログ特撮は、手作りだがその精密さや迫力に驚かされる。熱線はアニメで代用しており苦労の跡が観られる。面白いのがミステリアンのコスチュームで、青・黄・赤の三種類であり、まるで信号機だった。初のワイドカラー作品を意識したらしい。

現在から見ると、人間アクションはノンビリして緊張感はない。しかし、逃げまどう群衆や自衛隊のエキストラの人数が桁違いに多く、現場のパニック状態がリアルに描写されている。当時の製作者の映画に対する情熱と言うか熱量を強く感じる。