コーカサス

オール・ザ・キングスメンのコーカサスのレビュー・感想・評価

オール・ザ・キングスメン(1949年製作の映画)
3.7
政界浄化を理想とする公務員ウイリー・スターク (クロフォード)は3度目の出馬でようやく州知事に当選するが、過去2度の落選で覚えた汚職や恐喝に自らも手を染め始め、いつしか独裁者へと変貌していく。

『ハスラー』のロッセン監督が地方政治の腐敗を暴露したピューリッツァー賞の小説「すべて王の民」を映画化。
原題はハンプティ・ダンプティの童謡からの引用で、“もう元に戻らない (戻れない)” 権力者となったスタークの持つある種のカリスマ性を、第三者である新聞記者バーデン (アイアランド)の目を通して語らる社会派ドラマだ。

理想主義を最後まで貫き通す主人公を描いた『スミス都へ行く』の逆パターンとも云える本作を観て、ドキリとする政治家もいるのではないだろうか。

選挙によって国民に選ばれた代表者である以上、ミイラ取りがミイラになってはならない。

272 2020