kuu

ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのkuuのレビュー・感想・評価

3.9
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
原題 Extremely Loud and Incredibly Close
映倫区分 G
製作年 2011年。上映時間 129分。
2005年に発表され、『9・11文学の金字塔』と評されたジョナサン・サフラン・フォアによるベストセラー小説を、スティーブン・ダルドリー監督が映画化。
脚本は『フォレスト・ガンプ 一期一会』のエリック・ロス。
オスカーの父親役にトム・ハンクス、母親役にサンドラ・ブロックらアカデミー賞俳優がそろう。
余談ながらこの二人トム・ハンクスとサンドラ・ブロックは、2013年のリーダーズ・ダイジェスト誌の投票で、最も信頼できる有名人としてそれぞれ1位と2位に選ばれてた。

9・11テロで最愛の父を亡くした少年オスカーは、クローゼットで1本の鍵を見つけ、父親が残したメッセージを探すためニューヨークの街へ飛び出していく。
第2次世界大戦で運命の変わった祖父母、9・11で命を落とした父、そしてオスカーへと歴史の悲劇に見舞われた3世代の物語がつむがれ、最愛の者を失った人々の再生と希望を描き出していく。。。

まだまだ浅はかですが、今作品は、これまで体験した映画の中で印象的な作品のひとつに加わりました。
長い間心に残りそう。
ストーリーテリング、感情、そして今作品がカバーする領域において、多くのことが起こっている。
9.11を題材にしているし、父ちゃんを亡くした少年が悲しみにどう向き合えばいいのかわからないという話でもある。
しかし、恐怖を克服すること、親になること(そして子供時代)、隠喩と秘密、真実と意味のない世界についての映画でもある。
愛と死、そして人生の永遠の問いについての現代的な探求でもありました。
もちろん、主人公のオスカー・シェルが主役であり、彼が本当に重要な人物であり、映画全体が彼を中心に構成されている。
そして、トーマス・ホーンはそれを見事に表現している。
苦難、ドラマ、喜び、笑い、怒り、悲しみ、恐怖、贖罪、そしてただ自分の生きる道を見つけること。
彼が経験するトラウマ的な体験のすべてにおいて、彼はまったく信じられ、はらわたを熱くわしづかみにした。
巧みに素晴らしいのは、オスカー・シェルを愛することはほとんど不可能であるにもかかわらず、彼を愛すべき存在にしたこと。
彼は強気で、無礼で、仲良くするのが苦手。
彼が自分ひとりで経験することを見ていると、ただ慰めてあげたくなる。
そして、それが彼を強烈に愛おしい存在にしている。
今作品には純粋な喜びの瞬間もある。
その喜びは涙と同じくらいリアルに感じられ、楽しいのは、オスカーと間借り人のシーン。
銀幕のヒーローであるマックス・フォン・シドーと、初出演のトーマス・ホーンが、忘れがたいコンビを作り上げている。
バスの中で賃借人が眠ってしまい、オスカーがジュースを差し出して彼を起こすシーンは、まさに金メダル。 
温かく、大いに笑える演技でした。
視覚的にも、今作品はしばしば注目に値する。
オスカーと間借り人が決定的な対話を繰り広げる赤い壁。
最悪の日の朝、教室に閉じ込められた小さなスズメバチ。
オスカーが間借り人に自分の話をするときの記憶のフラッシュ。
また、最も激しいシーンで緊張感を高める音楽と、その中で使われるクラリネットが、今作品の雰囲気を高めている。
時折、今作品を賞賛する言葉が頭に浮かぶ。
それはこれから数日間、数ヶ月間、小生の頭蓋の中に残り続けるとおもいます。
傑作だと個人的には思うし面白かったです。
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