メイマーツインズ

カジノのメイマーツインズのレビュー・感想・評価

カジノ(1995年製作の映画)
3.5
【名作を観ようシリーズNo.101】

《ラスベガスは道徳を洗い流す》

巨匠マーティン・スコセッシ監督が描く、ラスベガスの暗黒の歴史。
この作品は初鑑賞は映画館で。3時間という長尺で、お尻が痛かった印象が強く残っている(苦笑)
前回レビュー作”カジノハウス〟で今作のオマージュのシーンがあって。
ソフト所有で久々の再鑑賞。


”グッドフェローズ〟のロバート・デ・ニーロ×ジョー・ペシ、そしてシャロン・ストーンが加わり、1970年代〜80年代のラスベガスを舞台に、人間の栄光と転落を描いている。

ラスベガスは元々は何もない砂漠だったのを、伝説のギャング・バグジーがネオン煌びやかなオアシスに作り上げたのは有名な話。
現在の総合エンターテイメントリゾートのラスベガスではなく、まだギャングの影響力が残っている欲望の渦巻く街として描かれている。

マーティン・スコセッシの真骨頂といえる題材で、3時間という長さを感じさせないテンポの良さとナレーションつきの丁寧な演出でグイグイと引き込まれる。

ただ”グッドフェローズ〟と比べてしまうと…
世界観は似てるものの、実話に忠実ということでダイナミックさと熱量がダウンしている。
デ・ニーロの安定感、ジョー・ペシの存在感は相変わらずだけど、やはり二番煎じな感じが…。
高級娼婦を演じるシャロン・ストーン。ハマり役で、男に翻弄される姿を熱演、艶やかな存在として作品を彩っている。

マーティン・スコセッシのギラついたものが薄れ、良くも悪くもまとまっている印象が残る作品です。