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赤西蠣太のryusanのレビュー・感想・評価

赤西蠣太(1936年製作の映画)
3.8
赤西蠣太はとぼけた田舎者の侍を演じているが実は密かに伊達兵部の悪事を探るために使わされた密偵だった。
同じく密偵として潜入していた仲間の銀鮫鱒次郎とともに証拠を手に入れ国元に報告に帰ろうとするが、その理由を作るため美人で有名な腰元のさざ波に恋文を出しわざと振られるように仕向ける。しかし意に反してさざなみが色良い返事を返したから話が複雑に。最後は無事に伊達を打ち取り謀反は阻止される。赤西もさざ波と結ばれ、めでたしめでたし。

赤西は切れ者だが女には疎いという設定、コメディー要素が強く出ているが実はシリアスな話。一見コメディー側に寄っていますが、多分本作は失われた部分も多く、残存するフィルムを繋げたものという事なのでオリジナルはもっとバランスが良かったのではと想像します。

人を殺すシーンが何回かありますが、そのシーンそのものは見せずに、音やシチュエーションだけで観客に想像させる。今どきの何でもリアルに血が噴き出すシーンを見せれば良いというものでないのが良く分かります。「ライフ・イズ・ビューティフル」でも最後にこの技法を使ってましたね。
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