YYamada

マッドマックス/サンダードームのYYamadaのレビュー・感想・評価

2.9
【アクション映画のススメ】
〈ジャンル定義への当てはめ〉
 ○: 心理描写より外面的な動作を重視
 ○: 格闘・戦闘を解決の糸口とする

◆作品名:
マッドマックス/サンダードーム (1985)
◆アクション映画のジャンル
近未来 / 子供だけの国の存亡を救え
◆類似作品
・タイムマシン (2002)

〈本作の粗筋〉
・世界は核戦争により灰と化していた。マックスは、女帝アウンティが支配する街・バータータウンにたどり着く。そこではサンダードームという競技場で1対1の闘いが行われていた。
・戦士を求めていたアウンティから命じられ、マックスはサンダードームで最強の怪人と闘うことになってしまう…。

〈見処〉
①「入る者は2人、出る者は1人」
 マックス、生死を掛けた戦い
・『マッドマックス/サンダードーム』(原題: Mad Max Beyond Thunderdome)は、1985年に製作されたアクション映画。
・荒涼たる砂漠と化した近未来の地球を舞台に子供だけの国の存亡をかけて闘うマックスの姿を描くシリーズ第3弾は、世界的ヒットとなった前作『マッドマックス2』の3倍にあたる10百万ドルの予算にてハリウッドと共同製作。無名俳優中心だった前2作から変わり「ロックンロールの女王」ティナ・ターナーというビッグネームをキャスティングするなど作品規模はグレードアップ。
・前2作のプロデューサー、バイロン・ケネディは、本作のロケハン中のヘリコプター事故にて絶命したことになり、ジョージ・ミラー監督の製作意欲が失した本作であるが、ミラー監督はアクションパートに専念し、急遽採用された共同監督のジョージ・オギルヴィーによるドラマパート演出によって、完成に至った。

②結び…本作の見処は?
公開時に劇場にて鑑賞。シリーズ存続の危機を招いた迷作。。
○: 豚の排出物からメタンガス精製するバータータウンなど、前作『マッドマックス2』から更に荒廃が進んだ「ポスト・アポカリプス」の世界観は、本作にて完成の域に達し、次作『マッドマックス/怒りのデスロード』に引き継がれることになる。
▲: シリーズの見せ場である、カーチェイスシーンは大幅に縮小。血気盛んに車に飛び乗る本作のラスボス、ティナ・ターナーであるが、マニュアル車両を運転出来ない彼女のために、シリーズ初のオートマ車を用意して撮影。不安そうな表情でドライブするティナ・ターナーは失笑の対象。
▲: 本作のタイトルネームに採用されている「サンダードーム」は作品中盤に早くも登場。巨大なゴムパッチンを装着するこの格闘場には、バイオレンスよりもバラエティがよく似合う。
×: ホラー調の前2作から変わって、安寧な劇中曲により、バイオレンス感を大きく損ねている。
×: 仲間が寝静まる間に、村から離れる無謀な子供を救出に向かう英雄…あまりにも良くある設定にて、類似作品を思い出せない。そもそも、廃墟の街を目指し、緑と水に覆われた渓谷を棄てるのはモッタイナイ。
YYamada

YYamada